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Again in the sky. 久々の飛行訓練。今年は飛ぼう!! [pilot]

何ヶ月ぶりかの飛行訓練を受ける事ができました。天候は風弱く雲高し。悪天候域も遠く、安定した飛行が期待できるコンディション。予定では長距離のナビゲーションだったが、久々ということもあって、短距離のナビゲーションとタッチアンドゴーに変更させていただいた。手頃な距離の飛行場まで真直ぐ飛んで行ってタッチアンドゴーを思う存分やって、同じ経路を反対に飛んで帰ってくるという事。手順を思い出し、確認しつつ、次回以降に備えるつもりでのお願い。

書類の手続きでは、飛行情報、機体の整備状況、天候も確認、飛行プランもOK。ナビ往復分のログ二枚も合わせて40分くらいかかったが、まあまあ順調に準備できた。ただ、基本的な事、重量とバランスの計算を忘れた。いつもの積載可能重量に余裕のある機体に、いつもくらいの燃料、いつもの教官と二人だしで、あまり意識するポイントがなかった。そのため忘れてしまったのだが、これは必ず確認する義務がある。忘却というのは、こういう部分に現れるんですね。気をつけねば。外部点検は普通。事前に気付いていた通り、燃料水抜きの場所を正確に覚えておらず、4カ所を探しつつ実施。朝一に整備さんも点検しているし、前に機体を使った人もいるし、特に水抜きが必要な状況ではないのだが、練習として行わせてもらった。

エンジン始動。最近読んだ本で、やっと構造をちゃんと理解したプライマーを試したかったが、プライマーが必要なほどは冷えておらず、使えなかった。プライマーはエンジンが冷えきっていて、 通常の経路では燃料が充分に気化できないほど外気が冷たい時に、燃料をエンジンのシリンダー(燃焼室)に直接送り込む装置。通常は冬しか試すチャンスがない。まぁ、いずれまた。

しばらく乗らぬ間に、義務化された自動式ELTが装備されていたので、これの使い方と、誤作動していないかの確認手順を教えていただいた。OFF, ARM, ON の3ポジション。前後2Gの衝撃で作動するとの事。ハードランディングでも反応する事があると聞いた事があるし、緊急発信しながら飛ぶわけにもいかないので、毎回飛行毎、離着陸訓練後には忘れぬようにせねばなるまい。(チェックリストに書いてくれないものだろうか...)

飛行場では他に動いている機体は無い。 そろそろと、タクシー開始。滑走路手前で、着陸機を一機やり過ごし、何事も無く離陸。何事も無く順調にナビ開始、順調に進む。ただ今回からナビにあっては特に、地上目標を強く意識して飛ぶ事を、事前からずっと、イメージ トレーニングでも、シミュレーターでも強く意識してきた。方位や高度、速度をどれだけ厳密に守って飛ぼうにも、予想外の風が吹いたり、自分が飛行機の水平をずらすような雑な飛び方をしてしまっては、どうせ計画経路を飛ぶ事はできない。それでも絶対に地上の目標を使って、計画した経路を意識し続ける事ができれば、おおむね計画どおりに飛び続ける事ができるからだ。

理屈を考えれば当たり前の事だが、実際にこれをやるのは大変だ。飛行中は、真直ぐ飛ぶ事 (そもそもこれも突き詰めると実に大変な技術なのだが) 以外に、やらねばならない事がたくさんあって、油断して別の事に気を取られれば、いつの間にか傾いたまま飛んでいたりして、あるいは地図からは容易に推測できないような予定外の景色の上を飛んでいるというような事になる。ものすごく簡単にそうなる。いずれもっと慣れて行くのだろうが、とにかくこれは意外と身に付かないで苦労した。いまでも上手にできているかどうか自信はない。ただ確実に一回飛ぶ毎に上手くなっている事を感じる。遠方の目標も怪しく、どこまでも似たような景色が続く地域では、これはさらに大変だろう。とにかく、これをずっとずっといつまでも上手に続ける事ができれば、地上目標を使って、どこまでも自分の位置を見失う事無く飛び続ける事ができる。

しかし言うは易く、実行は難い。空から景色を見続けていると、目に見えている事と、頭で見ている物は違うという事が、よくわかる。こういう状況は「灯台下暗し」などといい、地上では笑い話になることが、空では別におかしくも何ともない、当たり前に起きうる事で、笑っていられない。眼下に広がる地図と同じ配置の地形、建物。そう、誰にでも見えてはいるが、これも一体化した景色として見てしまえば、飛行に使える目標物も周囲にとけ込み、目標の役割を果たさない。これは目には見えているという状況。しかし、あそこにアレがある、コレがあるはず、などと意識して目標を探し、覚え、自分の移動に伴う視覚や位置関係の変化の中でこれらを捉え続ける事ができれば、心強い目印として機能してくれる。これが頭で見ているという事だと思う。今回はこれが良く出来たと思う。

以前は、短い所を飛んでいても、今自分はどこだろうか、という事を意外と簡単に見失っていたものだ。最後に自分の位置を確認した位置から経過した時間を考えれば (ナビ ログに自分で記録している位置と時間を参照できる)、一定時間内に移動できる範囲は、それがデタラメな方向であっても、たかが知れている。いくら空が広くて仕切りがないとはいっても、何も3分彷徨ったくらいでアメリカに着いてしまうわけではない。せいぜい5マイル (ざっくり9km程) そこらの事。それもずれていたとしてもおおむね目指した方向に飛んでいるとなれば、ますます知れている。それでも、地形をうまく見て、理解して、利用できねば、本当に自分の位置を正確に言えなくなってしまう。だいたいこの辺なのだけど... というのでは、自分の位置を把握した事にはならない。しかし、最も、それは結果から自機位置を求める方法であって、これはこれで意味があるし必要なのだが、実際には後ろを振り返って、かつて確実だった通過点を目視する事は、不可能ではないものの実際的ではないだろうから、通過点から推測する位置というのはどうしても曖昧に留まりやすいだろう。どう飛んできたかは大切だが、さらにそれよりも大切なのは、今その瞬間も進み続ける機体を、過ち無く次の目標に向けて進める事、これから、どこに向ってどう飛ぶのかである。そのためにより大切なのは、通過した点よりは、次に通過する地点であり、今後の進路を見いだすこと。常に次の、その先の目標を意識して見つけ、目指し、目指し続ける。その連続によって、次の目標からの位置 (方向と距離) をおおむね理解できれば、この場合は「おおむねこの辺」と言っても、より意味のある「この辺」であろう。

地上から見れば広い空にあって、そこまでの精度を求める必要を感じないかもしれないが、飛んでる方には大きな問題になりかねない大切な事。痛快な事に、そういう細やかな事を、広い空中で、多くのパイロットががんばっているわけである。地上にいる間の頭では、これを滑稽で愉快で愛すべきすばらしい人々の努力であると感じる。そして自分ももっとそれを上手にできるようになりたいという欲求がある。自動車のようにフライト用のナビを使えれば、かなり軽減される手間と言う事も出来るが、これが身に付いているのとついていないのでは、非常時にも全く違った結果になるだろう。またこれが上手に出来て飛行に活用できれば、これほど痛快な楽しみも無いのではないか。鍛錬、という言葉が最近好きになったのだが、これはまさに鍛錬だろう。

飛行場での連続離着陸訓練は五回。すべてノーマル着陸とした。なにせ、接地間際の引き起こしの感覚が、もうまったく破壊されていて、巧く出来なかった。こんな雑な接地でいいわけがないと、何度も何度も同じ条件でやってみた。出来はまあまあと言いたいが、自分では悪かったと思う。何度やっても引き起こしが遅く、頭上げが不十分だった。時間があいて下手になると、僕の場合は、こういう傾向になるという事がいやになるほどよくわかった。これで二回めか三回めだ。自分に厳しく、次のソロまでにはタッチアンドゴーも自信を取り戻せるまで再訓練を継続せねばなるまいと判断した。しかし接地前のパワーカット(常に遅れ気味だった)の前までの状況は悪くなかったし、横風への対処(クラブ、ウィングロー)もいずれも、回を重ねる毎に感覚を思い出し、上手にできるように勘が戻ったのは、とてもよかった。なにせ横風があからさまな着陸は、条件のせいで、もう一年以上やっていないと思う。ただし、同時に横風での接地後の自分の油断が、自分では怖いと感じている。致命的ではなかったが怖い。横風の突風でも吹けば、容易に機体をふらつかせてしまい、最悪の場合は転倒してしまうかもしれないような油断をしていた。主脚接地後、前輪の接地を急ぐのが、第一によくないし、その上、操縦桿を水平に戻す間違いが、なかなか直らない。この辺は、シミュレーターでついてしまった悪い癖のような気がする。視覚的に吹き流しの動きが再現されておらず、また風の情報ももらえない状況で接地するため、あらかじめの風の方向も強さもあまりわからない。そのため、シミュレーターではうまく横風の接地を再現できず、練習の中でもうまく扱えていないのだと思う。ここは今後注意して、意識して取り組まねばなるまい。

さて、次回は予定していた長いナビゲーションになるだろう。今年はペースアップして取り組み、なんとか免許を取ってしまいたいものだと、今のところは思っている (本当は免許とは言わず「技能証明」という)。天候や本業の問題もあり、状況がそれを許さなくなるかもしれないが、まだ努力の余地はある今は、強く、そう思っている。
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