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大空港周辺+海上+山岳+都市上空ナビ フライトでお腹いっぱい [pilot]

風は弱く見通しも悪くない。2000ft 高速道路のインターチェンジを眼下にナビゲーション開始。海沿いの目標へ飛ぶ。一旦海上に出る。船の行き来が見える。不時着水するなら、どの辺がいいか、などと思いつつ、忙しく無線のやりとり。前方の目標、時計、姿勢計、垂直速度計を素早くスキャン。広く左右を、他機はいないか注意しながら、次のコースの事を考える。久々の本格的なナビゲーション。まず、悪くない。

陸上に戻り、目標地点上空を旋回しながら通過。次のコースへ入る。500ft上昇。優雅な旋回で降りてくる大型機が見える。高度差は十分。その下をくぐり進む。コースのずれわずか。風が弱いおかげだが、昔に比べ、自分の不注意による機体の傾きもなく、もしくはそうなってもすぐに気づき修正できる。まだまだだが、進路保持が、少しうまくなってきたということ。さらに次のコースへ旋回。海岸沿い、高度を下げる。上空は厚い雲の天井。予想どおり、高くは昇れない。ここでは出発機の下を潜るコースを計画していたが、管制の許しが出ず、結局コース変更。一旦海上へ。方位を計算し、コースの変更はまあまあ。ただし時間のチェックを忘れていた。後から飛んだ距離から概算するしかなかった。

コースをはずれると、どうやって元のコースに戻るのかが重要になる。地上の目標を目視確認しつつ進み、ほどほどの辺りでコースと高度を戻す予定だったが、コースに戻るための地上の目標地点 (町) がうまく見つけられなかった。もし途中でコース変更を余儀なくされた場合、後で計画コースに戻るために、どうやってそのための目標を見つけて戻るか、計画段階では地図や衛星写真を頼りに計画していたのに、飛行中その事を思い出せなかった。その時、教官からヒント。飛行前に自分がどう考えているかを話をしていたのだが、その事を思い出させるようなヒント。「ああ、そうだった..」すっかり夢中になって忘れていた。「夢中」は気を取られているという事で、飛行中は危険な事。自分の力不足が怖い。余裕がない、ということは本当に恐ろしい。地上にいる時、これが大きな問題になる事は少ない。車だって路肩へ止めれば、何時でも安全な状況に戻れる。何かあっても相対的にダメージも小さく終わらせられる。

そこからは我に帰り、目標地点を特定。さらにその先にも目標を見つけ、コースに戻った。見通しがよく、次の目標地点も目視で確認。しばし余裕。工業地帯の高い煙突が吐き出す煙がまっすぐ登り、風の弱さを示す。煙は上空で雲のようになって綿あめのように滞留。上の空気が押さえ込んでいる様子。少しリラックス。やがてチェック地点。時間の見積もりがおかしいことに気づく。コースをそれた時から、コースに戻ってきた時、余分に飛んだ時間の概算が間違っていたのだろうか。メモを間違えたか。結果的に誤差の範囲だったが、考えても結局原因を思い出せないが、ロスしたはずの時間をロスしていない。とすると、高度を下げた時の速度が速すぎたと考えられる。そもそも機体に問題の出る速度帯ではないので、そうだったとしても危なくはないのだが、自分の管理不足がとても残念。これも余裕が足りなかった証拠。

しかし残念がるのは地上でエンジンを止めてから。それが鉄則。最後のコースをクリアせねばならない。最後のコースは再び高度を下げ、飛行場に接近。滑走路上空を一旦通過し、場周経路に入る。着陸はスムース。着陸前にスロットルから手を離しトリムを操作した。こうすると姿勢のコントロールが、少し楽になる。

しかしこれは後で教官からお叱りをいただいた。すっかり忘れていたというか、シミュレーターでついた悪い癖だと思う。シミュレーターでなら、操作機器の構成の違いで、スロットルを触りながら操作できる部分。それが癖になっていたのがいけなかったのだと思う。なぜそれがいけないのか聞かれたが、もちろん答えることもできた。簡単に答えられるほど頭でわかっていたのに、自然に違うことをやってしまった。これが油断というものか。深く反省。とっさにゴーアラウンドが必要になった時、トリムを触っていればパワー操作の遅れになる。その僅かな遅れが、大きな事故を起こす可能性になる。(操縦桿にトリムがついている機種ではやっても良い操作だと教えていただいた。こう教わると、姿勢制御の上では操作したくなる事もあるが、より優先すべき安全のために、スロットルから手を離して別のものを操作してはいけない、と覚えやすい) そんな中、反省しつつも、頭の別の所で教官の教え方の素晴らしさの事を考えていた。もし、その時「手はスロットルに」と注意されていたら、確かにさっと手を戻し、緊張を取り戻したろう。その方が安全だ。でも、それでは後から思い出すこともなかったかもしれない。あえて失敗させて、それで着陸させて、後から静かに思い出させる。これには、ハッとさせられた。

他にも、自分が油断していて操作に甘い部分が出ていた部分で教えをいただいた。接地してからも、十分に減速するまではセンターラインは外してはならないという事。風に煽られたりした時に滑走路から外れる可能性を排除するためだ。外れれば自走出来なくなったり(確か事故扱いになる)、最悪はひっくりかえったりしかねない。問題は十分な減速の基準。これをなぜか自動車と同じ感覚で考えていたが、他に同じような速度で移動し、自分で動かせる機械といえば車位だからか。飛行機の地上走行時の不安定さを考えれば、やってはならない勘違いだ。幸い車でのそれと同じように機体のタイヤの動きは体に伝わってくる。これでもし翼がなく、安定度が車ほどでもあればよいのだが、そんなわけはない。地上では翼は役に立たないのではなく、走行の邪魔にさえなるわけだ。そういえば、風が強い日には、地上での正しい翼の動かし方がある。シミュレーションでは、以外と気が抜けて注意しなかった部分だ。そもそも風の強い状況での練習はあまり設定してこなかった。横風着陸は、機体の傾きや流され具合を、体感で理解する部分があり、身体的な操作といえる。可動式のシミュレーターならともかく、あまり練習にはならないと考えてきた。

はてさて、今までずいぶん助けられてきたシミュレーターだが、ここしばらく、それだけに長い間頼ってきたことのマイナス面が、久々のロング フライトで出てしまったようだ。トリムはいつでも取り放題。減速感がなくとも気にせずとにかく次の事へ急いでしまい、操作がおろそかになりやすい。間違っても、それを指摘してくれる教官もいない。何時でもやめられるシミュレーター。何時の間にか、これではゲームと変わらない。悪い癖もつくだろう。気を引き締め、シミュレーターも厳密に望まねばなるまい。

次のフライトは、さらに海上を長く飛ぶ予定。注意すべき点も、さらに増える。課題も背負いつつ、なお、さらに厳しい挑戦は続く。
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